雲のむこうの宇宙はいつもお天気

ジントニック・缶ビール・ジントニック・夜の花見ドライブ(助手席)を挟んでジントニックジンライムジンバック
私の好物は鶏肉とお酒と桜なので、酒と花と焼き鳥のあるこの状況は天国です。死んでからわたくしが天国に行けるか否か知りませんが、地上にも似たようなものはあるんですわな。どうせいつか死ぬんだから、地上で少しでも多く天国を味わってから、本物の天国なり地獄なりにいきたいですねえ。(死んだら何にもねーんだけどな!そんなもんはな!)
どーも桜のようなうすぼんやりした浮弱な花を好むのは日本くらいだそうで、気持ち悪い季節のない国ならとっくに死んでた私は日本でよかったと思うのでした。
「満月小唄」と「ひとだま音頭」とに号泣しかけました。うはは。

いけませんねえ。酒(特にジン)とあの方々のお歌のミックスはわたくしにとって覿面な催涙剤です。
彼らのうたは、私のよーなダメ人間にとって、ほんとにすごく楽しくて、悲しくて、とてもやさしいよ。

ぼくの口からネジがぽろんとこぼれだす

べとつくのーみそ犬のエサだそれ喰えよ!ジョン!
ハッピーマンの後半への盛り上がりはパンキッシュでとてもカッコイイと思うの。とか、パンクの何かも知らないで言ってますがね。
二月の終わりから三月にかけて、たまの方々のそれぞれのソロ活動を見て来たわけですが、やっぱり生ってのは凄いよな。
「あ、あの歌を作った人が目の前におる!ふはっ!!」となるだけじゃなくて、今のその人が今の気持ちで「あの歌」や私の未だ知らなかった歌を唄っている空間を味わうきもち。ふはっ!です。
一番最近は四月一日の柳さんのライブでしたが、ライブでうっとりするとそのあとなんか疲れることがあってもまぁまぁ総じてしあわせです。惚れ惚れ。
「ブルースを捧ぐ」は実に名曲だと思うのです。孤独で軟派で暗くってダメ人間でやさしくってやさしい。でもダメ人間なところがね。
今後もできるかぎりいろんなライブやイベントを楽しみたいと思うのです。

追記/らんちうの語り(たま版)

きゃあ。五月五日は子供の日柳原陽一郎さんがライブをやるとな。
そーいえば十八年前のその日は「さよなら人類/らんちう」シングル発売日でしたか。
シングルバージョンの「さよなら人類」はちょいと音が多すぎて苦手ですが、「らんちう」はさんだる収録よりシングルのほうがなじみがある。……というのはわたくしの「たま」ファーストインプレッションCDが、クラウンの「たまセレクション」だったからだろうと思います。やっぱりね、収録曲12曲でたまのベストを作るなんざあ少なすぎる話ですが、あれ収録の曲は否応なしに名曲ばかりというしかない……。
シングルバージョンのらんちうは、「らんらんらぁらぁららららら……」の童謡のような情景に、やなさんの嘯くシノワズリな幻燈がまさに川流れするみたいにゆらめいていて、そこを「どぶんと川へ、ごきげんようーッ!」と崩落させる言葉に知久さんの「ひゅう〜っ!」と石川さんの「アアアアア!」という絶叫、そしてアコーディオンが太鼓がギターがベースがぐわわーっ!と覆いかぶさってくるところが本当に好き。
同じ川面の裏表、金魚の浮かぶ桃色幻燈の夕空から、心さびしくななめけんすいをする子供がいる元の土手の世界へ一気に落下するシノワズリ。カタストロフィでエクスタシィで、チープで緻密で美しい、絵画のような素晴らしいミックスです。とまあここまでくだくだしく述べてもその良さ*1はなんとも名状しがたいものがあります。要するに好きなんです。
ああでも、語りでいえば「それを捌いちまったァトメさんの、頭におおきなこぶが出たぁーーー!」(さんだる)もやっぱり好きだけどね!どっちも好きだな結局! 基本的に七五調なのが、「らんちう」の語りの、ドサ芝居的な心地良さといかがわしさのキモなんでしょうかね。シノワズリーかジャポニスムか、はたまたローカルか*2の世界が即興で決まるのがまたすごいやね。
「別冊イカ天」版の「ああ、哀しいらんちうの物語でございまぁす」もいいし。イカ天初登場時の「それがらんちうとなる運命であったのであるぅ」もいいね。あれらは語る柳原さんの風体や流し目も含め、バンドの醸し出す雰囲気が妖しい紙芝居みたいでこころにぐいぐいと食い込んでくるのです。やあ、あざやか、あざやか。
(どんどこみいちゃんはあちゃんな日記になっていますね。多分いきなり更新止まるねこりゃ)

*1:というより、私がどれだけその部分を好きなのか

*2:「あの炭鉱の奥深く、眠れる人々を弔うためにな!!」@夕張

柳原陽一郎ライブ@高円寺JIROKICHI

  • お前が居なくても生きてはいけるけど、生きてる理由が見つからない。

やなちゃん、ステキ。
ライブを見て、ゆったり気持ちよくしあわせ〜っ!となる感覚を満々と味わいました。行ってみてほんとよかった。
もー、なによもー、柳原さんたらばもー、本当にステキよ。やーだ!うっとり!
(もうね、輪をかけて頭わりー文章で述べるよ私は。)
私は最新の「ウシはなんでも知っている」と処女作の「ドライブスルーアメリカ」の二枚しか彼のソロアルバムを持っておらず、今日のライブは初めて聞く曲も多かったのですが、全編にわたりとーっても良かったです。「二人は遊牧民」「方便(?)」なんか、とても良いねぇ。
新曲も三つ。「ちなつさん」と「徘徊ロック(?)」と「金返せ」。最後のがまたとても面白かったですよ。いーのかなあれは。まぁいいか。
やなさんの、ニヤニヤしながら歌う感じは見ていてこっちもニヤニヤ、しあわせな気分になりますね。歌に表情が現れるってのは、すてきなことです。やなさんの声がいいんだまたこれが。
ジャバラの夜って、ライブでやるとやっぱり即興入るのね。「ムスターファ〜ムスターファ かわいい王様ムスターファ♪」とか言ってました。
…や〜、本当面白かったなぁ。つくづく。


意味不明に可愛いから買ってきたのです。可愛すぎて開封できないという罠。
長いお別れがほしい。

たまの月経散歩

machime2008-03-31


あたくしはこれを、探していたのよ、ねへへぇ! という。
ブックオフだの古書店街だのにもなかなかありませんね。15年前のタレント本(?)という微妙に微妙な位置付けの御本ですしね。図書館は偉いよ。でもわたくしのものにはなりませんからね、残念無念ですね。
たまの人たちがぶらぶらとそこらを散歩するだけという内容の本ですよ。
柳さんがでたらめ放送局だったり、その柳さんへGさんが「おめーの虚言は聞き飽きたよ!」とか言ってたり、知久さんが毎度遅刻してたり、石川さんが猫招きだったり、不良さんに絡まれて下半身を握られたお話があったりなんかして面白いのです。なるほど、そっちのたまか…。むむ。
熱海秘宝館での四者四様ぶり(Gさん:無関心、やなさん:ウキウキ→がっかり、石川さん:面白がる、知久さん:じっくり見る)が良いです。すすきので見事にGさんを巻き添えにして滑っ転ぶ知久さんも良いです。皆さん可愛らしいですな。
全体的に特にGさんが不思議な方で楽しいです。蚊に刺されて「かいーなぁ、どーしてくれんだよまったく」と八つ当たりしたり、滑り台を激写しに行き滑ってきた幼児にびびられたり、やなさんが「デートは静かにコーヒー飲むだけとかがいいのに、女の子はそうじゃないみたい」とかぼやくと「(女の子は)バカだからな!」と言ったり。なんかすげえぞ滝本晃司


にしても、「電車かもしれない」の一節「ここに今僕がいないこと誰も知らなくて/そっと教えてあげたくって君を待っている」はこの時から知久さんの中にあったのですねぇ。

世田谷邪宗門

邪宗門。それは喫茶店
下北沢の南口を出て十五分ほど行くとある、住宅地の中の喫茶店です。坂口安吾が勤務していた代沢小学校の近くです。
もーすぐ、ていうかもう四月から、まさにこうしてちゃらぽら遊んでいられなくなるので思い切って行ってみました。
矢川澄子『「父の娘」たち』を読み返してたら、なんだか贅沢貧乏な森茉莉がとーっても羨ましくなってしまいました。彼女が「代沢ハウス」に住んでた頃の応接間兼仕事場だったのがこの邪宗門。モリマリティという紅茶メニューがあります。濃厚で美味いです。
森茉莉がまさに仕事場にしていた席の隣で、マスターのオジサマに代沢(下北沢、とはあまり言いたくないそうです。下北沢駅のキャピルンぷりを見ればそれもそうよねとは思う)の歴史の話や森茉莉の話を伺い、お得意のマジック(凄い。)を見せてもらい…
なんだかなぁ。最近、いろいろな未知と出会えて私はすごく幸せです。

ニヒル牛カフェ

……で昨日「甘トースト」と「ほうじ茶すっぽん」をいただいたのですが、ちょうどニヒル牛2ではただいま「秘宝館」と称してなんだかピンク色の妖しい企画展示会がやっているのです。
そんで、私が以前「ほうじ茶すっぽん」を頼んでいる方にみかけた甘そうなお口どりのお菓子は、「珍々おつまみ 浮世絵」とゆー怪しいおかきに変ってました。すげーよ芸が細かいよニヒル牛。どこで売ってんだよ。オマケで四十八手の小さな浮世絵(?)つき。しれっとそういうのを出しちゃうのがいいよニヒル牛。でもどうしようこの浮世絵。
ちなみに、甘トーストもほうじ茶もとてもおいしかったです。
秘宝館にはモチメさんというかたの耽美な切り絵画があったり、春画があったり、石川浩司さんの「股間だって着替えたい!」とかいうお人形もありました。ピーパン(だっけ?おつまみスナック)の筒やナスやきゅうりなんかをええとその、股間に着せかえるわけですかね。ピーパンよ……もう店で見かけても笑っちゃう……
ニヒル牛は1も2も、とても素敵なお店です。今まで雑貨屋やなんかで「なにかちがう……」と思っていらした人もなにかしら、そのハートにぴたんとくる何かを見つけられる気がします。なにより、作家さんの完全オリジナルってのがいい。誰にどー言われようと俺はこれが好きなんだッつう心意気と、魂があります。表現の根源です。
唯一無二であることの素晴らしさを持つもの*1は、触れるたびに嬉しくて懐かしくてカンドーして、時々切なくなっちまう感覚を味わえたりします。そういうものに一つでも多く出会えたら楽しかろうねえ、それらとの出会いの場所の一つに此処があるような感じです。
檸檬」さんという方のアズキを使った指輪や髪飾りが好き。

*1:私の心底敬愛してやまない楽団なども、です