それはあまりにも孤独な音なので、誰も聞きそらすはずはない。

「人はそれを霧笛と呼び、それを耳にする者は皆、永遠というものの悲しみと、生きることの儚さを知るだろう。」
野田秀樹の戯曲「半神」に引用されている、レイ・ブラッドベリ「霧笛」*1のことばの凄さ。
稽古風景そのままみたいな冒頭と、シュラとマリアのシャム双生児が離れ離れになるクライマックスに演者全員で唱和されるその言葉は、文章を読むだけで、いやさ頭の中でそらんじて見るたびに、なんだか名状しがたい迫力と切なさを感じて鳥肌が立ってしまいます。
というわけで、いい加減原詩を読むことにしたのです。届くのが楽しみ。

*1:訳:たぶん大西 尹明