きみにとどく秘密のハレルヤを

柳原幼一郎初のソロアルバム「ドライブ・スルー・アメリカ」収録の「HALLELUJAH」は、レナード・コーエンの曲に彼が作詞(訳詞ではない)をしたものだ。

月や星の歌ばかりうたっているのにまた地面の上で眠る
無口な夜にのどをつまらせ
ぼくのこわれたハレルヤを

きっとぼくの歌はきみによくなかったのさ
だからひとりで歌うハレルヤを

美しい歌だ。もう、そういう表現を使うしかない。
「たま」の柳原幼一郎と、ソロミュージシャン柳原陽一郎。その過渡期。
ほんとうは歌なんてものは、歌唄いのその時の心因に影響されるべきもので、そうじゃなきゃ極論、その歌をその人がうたう必然性もない。*1
彼の「ひとりで歌う壊れたハレルヤ」は、収録されたのがまさにその当時だからこそ、深い位せつなく、哀しく、そして美しく、聞こえる。

95年2月発売。柳原幼一郎は、その年の終わり、ソロ活動に専念するために「たま」を脱退。


http://www.youtube.com/watch?v=s_pGlcJ1kqA
↑二曲目がその「ハレルヤ」。――知久&さねよし氏の「マルセリーノのうた」も素晴らしい。

*1:よくいわれる、カラオケが日本のうた文化をある意味で破壊したと言うのはそういうことじゃなかろうか