とにかく健康で なによりとぼくは思い

滝本晃司のハンサムぶりについて。
「たま」後期、マキシシングル「ゆめみているよ」や「汽車には誰も乗っていない」などは、収録曲も個々人の作詞・作曲・全演奏のものが増え、ソロのオムニバスっぽくなっている。この時期のライブがどのような感じだったのかは知らないが、やっぱり後々ソロ活動が各人の活動の中心になるんだろーなという片鱗はうかがえる。*1
さてその形態のマキシシングル「ゆめみているよ」収録、ベースのGさんこと滝本晃司の「公園には自転車で来た」が良い。とても良い。
特に「三たま」以降から拍車がかかってきたように思う重厚で美しい語り口、意味が全然なさそうで深そうでもある歌詞*2坂本弘道の嫋々としたセロの伴奏。曲全体に大きな起伏もないのに、一見して本当に公園に自転車で来た、というだけの内容をここまで美しく歌える迫力はなんなのか。さっぱりわからないが、すごい。
滝本曲は私にとってとても難解だ。歌詞だけをみて描く「この曲はこんな感じ」というイメージはとりとめもなく、曲や声質をあわせて聞いてみると解釈はさらにいろいろと広がってしまい、結果まるでできなかったりする。
曲をイメージでなく曲そのものでとらえるしかないので、「たま」を聞き始めたときは正直少し滝本曲は重たかったのである。そして、それを乗り越えると彼の曲は恐ろしく蠱惑的なものとなる。この「公園には自転車で来た」は特に、曲が助長なくがちっとコンパクトにかたまっているので、彼の曲目の中でも聞きやすくかつ蠱惑的という両面を兼ね備えたものとなっているように思う。マキシ、侮るべからず。
ハンサムにすぎやしないか滝本晃司。彼のソロアルバムも聞いてみたい。

ゆめみているよ

*1:アルバム「東京フルーツ」や「しょぼたま」などではその曲たちは「たま」として演奏されている。

*2:なんだかちょっと背徳的