ちゃあんと まぶた ひらいたまま えへへ えへへ とやるのです

「ああぼ〜くはかなし〜よ」っつう知久寿焼*1のうたがとてもよいのです。
「不思議な六月の夜 2」に収録。
(このアルバムは、他にも はかまだ卓とワタナベイビーの「もものうた」が実にキュートでバカっぽくてよい。)
夕暮れと夜のあわい、みかん色と紺のグラデーション。そうかあ、きみはかなし〜のかぁ……、そうかぁ。頷いて、できるなら頭を撫でてやるしかないような、もうそれは理屈でなくて絶対的な、子どものつぶやき。同情を誘うわけでもなんでもない、ひとりごと。
知久寿焼のすごさはなんなんだろうか。こういう曲を、たとえば夕暮れ色の似合うドラマや映画の挿入歌なんかにしてみたら、この曲が介するというそれだけでその作品はとんでもないことになると思うのだけれど。でも、まあ、いいや。
こういううたは、ひとりでぼんやり聞いてぼんやりするのが楽しいかもしれません。その、さみしい物足りなさもスパイス。
要するにわたしが聞いててたのしけりゃそれでよい。
やっぱり聞いているだけで色やら情景やらが浮かぶ歌って言うのは、すごいね。歌唄いって人種はおそろしいものです。

*1:としやき、って打って変換するのがめんどくさいのでついに単語登録